> 環軸椎亜脱臼

 環椎 (C1) が軸椎 (C2) に対して前方へずれる不安定な状態で関節リウマチ、急性外傷、ダウン症候群、軟骨無形成症などに合併します。不安定性が大きくなると脊髄が圧迫され後頭〜頚部の疼痛、頚部の運動時痛、めまい、上肢のしびれ、麻痺、呼吸障害などの症状が出現します。
 治療は軽度であれば保存療法 (投薬、頚椎カラーの装着、姿勢の工夫等) で経過をみますが、頚椎カラーには固定・支持の機能はほとんどないため整復・安定化は期待できません。保存療法で軽快しない場合や不安定性が高度の場合は手術療法を行います。

<症例>
 60代女性。半年前より頭痛・頚部痛生じるようになり、徐々に悪化、めまい・上肢のしびれを自覚するようになり当院初診、精査の結果上記診断した。関節リウマチ等の誘因となる合併症は認めなかった。C1後弓・C2椎弓根が元々細く椎骨動脈が内側偏位していたためscrew刺入が困難な症例であったが、実物大石膏模型で検討した結果、刺入可能と判断しナビゲーション支援下に頚椎後方固定術 (Magerl法+Brooks法) を施行した。手術により術前の症状は消失し経過良好である。


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術前X線

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術前3DCT

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術前MRI

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石膏実体模型

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術中所見

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術後X線

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術後3DCT

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術後MRI

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