> 神経根奇形



神経根奇形は、一般に10%前後の腰椎疾患の患者に認められると報告されており、L5/S1間に存在することが多い。神経根の可動性と神経根周囲の空間的余裕が通常より少ないため、軽度の圧迫・椎間不安定性により症状が発現しやすい。術前に診断することは困難であるが、最近ではMR myelographyにて診断できる場合がある。
 手術は、通常より広範な骨切除、場合によっては椎間固定が必要になることもある。


<症例>
 40代男性。7年前に他院で腰椎椎間板ヘルニア (左L5/S) の手術を行ったが、その後も左下肢痛持続するため当院受診した。MRI等精査の結果、同部位のヘルニア再発の診断で後方髄核摘出術・椎弓切除術を行った。しかし、術中に神経根奇形を認めたため、unroofing及び同神経根周囲の除圧を追加した。
 このように術中に判明することが少なくなく、臨機応変な対応・準備が必要になる。


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左conjoined nerve roots

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神経根奇形の分類

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