> 脊椎脊髄病疾患

 主な脊椎の対象疾患は外傷(転落、交通事故など)や骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折、脊髄損傷、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症・神経根症、腰痛症、腰椎分離症・すべり症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性側弯症、後縦靱帯・黄色靭帯骨化症、脊椎・脊髄腫瘍などです。

 近年、「運動器不安定症※」という新しい疾患概念が作成され、日常生活動作の低下、寝たきりとなることを予防し健康寿命を延ばそうとする試みがなされています。脊椎脊髄病疾患は下記の様に運動器不安定症と深く関わっており、その治療はますます重要となってきています。

 神経組織は完全に障害されると回復が困難または不能となるため、強い症状や神経障害・麻痺がある場合は、保存療法を長期間行った後に手術を行っても後遺症が残るリスクが高くなります。そのため、適切な診断と適切な時期に手術を含めた治療を考える必要があります。

特に、以下の症状がある場合は注意が必要です。

  • 1. 常時しびれ・痛みを自覚する
  • 2. ボタンかけや箸が使いづらい(巧緻運動障害)
  • 3. 数百m以下の歩行で休まずにはいられなくなる(間欠性跛行)
  • 4. 起き上がる際などに電撃痛が走る
  • 5. 頻尿・乏尿・失禁等がある(膀直障害)


これらの症状がある場合は、脊椎指導医に受診されることをお勧め致します。

LinkIcon※日本脊椎脊髄病学会 指導医の検索サイト

運動器不安定症
<定義>
 高齢化により、バランス能力および移動歩行能力の低下が生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態。
<診断>
 下記の運動機能低下をきたす疾患の既往があるかまたは罹患している者で、日常生活自立度あるいは運動機能が以下に示す機能評価基準1または2に該当する者。

 【運動機能低下をきたす疾患】
・脊椎圧迫骨折および各種脊柱変形(亀背、高度腰椎後彎・側弯など)
・下肢骨折(大腿骨頚部骨折など)
・骨粗鬆症
・変形性関節症(股関節、膝関節など)
・腰部脊柱管狭窄症
・脊髄障害(頚部脊髄症、脊髄損傷など)
・神経・筋疾患
・関節リウマチおよび各種関節炎
・下肢切断
・長期臥床後の運動器廃用
・高頻度転倒者

 【機能評価基準】
1. 日常生活自立度:ランクJ or A(要支援+要介護1,2)
2. 運動機能:開眼片脚起立時間 15秒未満 or 3m Timed up and go test 11秒以上


> 手術

当院では必要に応じて安全性向上のためナビゲーションシステムや実物大石膏模型を使用して手術を行っています。

<ナビゲーションシステム>
頚椎椎弓根スクリューの挿入

骨化巣の切除


<実物大石膏模型>

 

 

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